もみじ ~桂~ 育て方

植物紹介
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もみじ 桂

学名  :Acer Palmatum ‘Katsura’
和名  :伊呂波紅葉 ’桂’
別名  :イロハカエデ カツラモミジ
科・属名:ムクロジ科 カエデ属
原産地 :日本(東アジア)
開花時期:4月~5月
花の色 :赤紫色
花言葉 :美しい変化、大切な思い出、調和、自制、遠慮etc

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基本情報

桂は数あるイロハモミジの園芸品種の中でもポピュラーな品種で、街中でも目にすることが多いもみじです。また、盆栽で育てることも可能な品種になります。

桂は基本的にはイロハモミジの品種であるので、育て方や花、花言葉はイロハモミジと同じものになります。

桂は葉の色の変化が他の園芸品種よりも多く鮮やかで「美しい変化」という花言葉は桂にぴったりの花言葉です。

(生体・植物)
紅葉(もみじ)~桂~

特徴

桂 新芽

桂の特徴は春夏秋と季節ごとに変化する葉で季節を彩るところで、四季の移り変わりを桂の成長と共に味わえます。冬は落葉し、枝木だけの姿になります。

春は黄緑色に橙色の覆輪の鮮やかな新芽が春の柔らかな芽吹きを演出し、夏は新緑が映え、秋は真っ赤に紅葉します。新しい枝も橙色に染まります。
数ある園芸品種の中でもこれほど色彩豊かなイロハモミジは珍しいです。

桂はイロハモミジの園芸品種ですので、イロハモミジの特徴がそのまま桂の特徴でもあります。

イロハモミジは日本でも多く自生しているので極端に寒い地域や逆に極端に熱い地域を除き、日本の多くの地域で環境に適応できます。

また、同じく日本に多く自生しているヤマモミジと比べると葉が小さく葉の切れ込みも深いのが特徴で、切れた葉を「いろはにほへと」と数えたことからイロハモミジと呼ばれています。

環境

新緑がきれい

置き場所

庭植えの場合
日当りがよく風通しも良い場所を好みますが、基本的にはどこでも育つことのできる丈夫な樹木になります。
例えば、寺社の庭などの一日中陽が当たるような場所から、日陰になりやすい住宅街の庭やほとんど陽が当たらない家の中抜きの庭まで様々な場所で育つことができます。ただし、樹形はその場所にあったものになるので中抜きの庭などで育った場合は、上に成長することを優先した樹形になるので下のほうには葉がつかず上に大きく葉が開きます。

鉢植えの場合
庭植えの場合と同様で基本的にはどこでも育ちますが、綺麗な紅葉をみたい場合は気候に合わせて柔軟に置き場所を変える必要があります。
比較的過ごしやすい気候の春と秋は日当りの良く風通しの良い場所で育て、梅雨明けからの直射日光が強くなる夏は葉焼けを防ぐために風通しの良い半日陰で育てるのが良いでしょ。

温度

桂は日本に自生しているイロハモミジなので北海道などの寒冷地以外では特に気にする必要はありません。むしろ樹にも四季をしっかりと感じさせることによって丈夫に育ちます。ただし盆栽などの小さなものは冬の間中、常に暖かい温室などに入れておくことはせず、しっかりと冬を感じさせてから室内に取り込むか風よけなどをして冬の乾燥や寒さを和らげてあげましょう。

ある程度の冬の寒さを経験させることで冬越しの準備や春の成長を促します。
目安としては霜に2~3回ほど当ててあげると良いでしょう。

実生をする場合も冬の寒さが必要になるので温室などの常に温かい部屋に入れておくのは控えましょう。

用土

水はけのよい用土にしましょう。

桂は水切れに弱いですが水はけの悪い土も嫌います。そのため水はけのよい用土を使用し、盆栽などの鉢植えの場合は水を切らさないようにしましょう。

自分で用土を作る場合、庭植えは大きめの穴を掘って腐葉土や堆肥を漉き込んであげましょう。鉢植えの場合は鉢底に赤玉土を薄く敷き、赤玉土と川砂と腐葉土を6:3:1の割合で混ぜてあげましょう。

育て方

水やり

庭植えの場合
庭植えの場合、基本的に自然に任せて水やりをする必要はありません。他の植物などに水をあげるついでに水やりをしてあげる程度の感覚で大丈夫です。水やりをするときは葉にも水をあげてあげると葉がチリチリになりにくく秋に綺麗な紅葉を楽しめます。

鉢植えの場合
鉢植えの場合、桂に限らずイロハモミジは水切れに気をつけなくてはなりません。水切れを起こすと葉がすぐにチリチリになり、紅葉が綺麗になりません。
水やりは表土が乾き始めたらたっぷりとあげるようにしましょう。目安としては春と秋は一日一回、夏は朝と夕に一回ずつ水やりをしてあげると良いでしょう。冬は表土が乾いたらあげる程度で大丈夫です。
水やりと同時に葉水をしてあげるとさらに良いでしょう。

葉水の効果って?
植物は葉からも水を吸収しまが一方、水を蒸散もさせます。そのため、葉水をしてあげることで葉からの蒸散を防ぎ、水を吸収するのを助けることができます。
さらに、ハダニを防ぐ効果もあり、やらないよりもやった方がいいんです!

肥料

庭植えの場合
庭植えの場合は基本的には自然に任せてほっておいても大丈夫ですが、葉を落としてから株元に穴を掘って堆肥などの肥料をあげると良いでしょう。

鉢植えの場合
桂もとよりイロハモミジ全般への肥料は基本的に葉を落としてから緩効性の肥料を与えます。桂やイロハモミジは休眠期に入ってから水を再び吸い上げるようになるまでが短いので肥料をあげる時期が遅れないようにしましょう。
また、開花後に肥料を緩効性の肥料を与え、その後は樹の様子を見ながら水やりと同時に液肥を与えると元気よく育ちます。ただし、真夏と紅葉の時期は肥料を与えるのは避けるようにしましょう。肥料やけを起こす可能性があります。

病気

桂やその他のイロハモミジ系のもみじはうどんこ病に気をつけましょう。

うどんこ病とは糸状菌と言われる菌が葉や茎につき、うどん粉のように白い菌カビが広がる病気です。
うどんこ病は5月~6月と9月~10月に発生しやすいです。うどんこ病にかかると上手く光合成ができなくなり、症状が深刻化すると植物自体が枯れてしまいます。そのため、早期発見が重要になります。

うどんこ病への対策は元気よく育て、風通しを良くし、土や鉢を清潔にしておきましょう。

万が一、うどんこ病にかかってしまった場合は、かかっている部分の葉を切り取るか薬剤を使い対処しましょう。

うどんこ病は越冬が可能なので一度うどんこ病にかかった植物を植えていた鉢や石、用土などは再利用する際はしっかりと殺菌するようにするか、再利用せずに捨てましょう。

害虫

害虫はほとんど付くことはありませんが気候や植物の状態、環境によって発生することがあります。

特に注意しておきたい害虫にテッポウムシがいます。テッポウムシはカミキリムシの幼虫で幹に穴を空けて食べてしまう厄介な害虫です。テッポウムシがいる木の周りにはおがくずが落ちているので注意して見ておきましょう。

万が一、テッポウムシがいる場合はテッポウムシが空けた穴に針金などを使用して一匹ずつ捕殺していきましょう。

テッポウムシ以外にもアブラムシもつく場合があるので葉水でしっかりと予防しておきましょう。

植え替え

桂やイロハモミジ系のもみじは12月~2月中に行うのが最も良いでしょう。ただ、春であれば植え替えは可能です。

鉢の植え替えは2年~3年を目安に一回り大きい鉢へと植え替えましょう。

剪定・切り戻し

もみじは適度に剪定を行うことによって樹形がよくなり、風通しも良くなることで病気や害虫の被害に遭いにくくなります。

剪定の時期は2種類あり、目的も違ってきます。

5月~7月に行う剪定は勢いのある枝や間延びした枝、日当りが悪くなっている枝を剪定します。この剪定作業をしっかりと行うことにより成長がよくなり、秋の紅葉も綺麗になります。

11月~12月の紅葉が終わるころに行う剪定は、樹形を整えることが目的になります。この時期の剪定は葉がなく、樹形がよくわかるのでどのように育てたいかを想像しながら剪定を行いましょう。

11月~12月に行う剪定は紅葉した葉が2/3程落葉した際に残りの葉を切り落として行いましょう。葉が自然にすべて落葉するまで待つともみじは休眠の準備に入っていますので剪定した個所から樹液が出てしまい、越冬が厳しくなってしまいます。
もみじの紅葉を最後まで楽しみたい方や休眠期に剪定をする予定がない方以外は名残惜しいですが2/3程落葉したら葉を切り落としましょう。

増やし方

のびのびもみじ

挿し木や実生で増やすことができます。

挿し木の場合は3月~4月に勢いのある若い枝を10㎝程の長さで切り、葉を落とし、水はけのよい肥沃な用土に挿します。イロハモミジの挿し木はなかなか発根しないため、何本か挿し木用の枝を用意しておくと良いでしょう。また、発根促進剤なども積極的に使用していくのも良いでしょう。

実生の場合は紅葉し始める少し前に種子を採取し、種子のプロペラ部分をカットし、1日水に浸けておきましょう。その際に発根促進剤や殺菌剤を混ぜておくと発芽率があがります。
水に浸けた後は保水性のある播種用の用土を使用し、1㎝程の深さに種子を植えて冬の寒さに当てながら種子を乾かさないように管理すると春先に芽が出てきます。

種子を水に浸けた際に沈んだ種子と浮かんでいる種子とを分けて播種しましょう。沈んだ種子のほうが発芽率がかなり高く期待が大です。浮かんでいる種子も発芽する可能性があるので別で管理してあげると上手く発芽管理できるかも?

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