こんにちは、植物を育てることが趣味の”とと”です!
春の気配が少しする季節になりましたね。ということで、今回は河津桜についてです!実は昨年からこっそりと河津桜の実生にチャレンジしていました!
つまるところ今回は実生シリーズ ‘seeding life series’ ということです。
桜って綺麗ですよね~、今回も楽しみです。
では、前置きはこれくらいにして、さっそくやっていきましょう!
河津桜の種ってどんなの?
みなさん、河津桜の種がどのような形や色をしているか知っていますか?
桜の種というよりもさくらんぼの種といった方がピンとくる方のほうが多いかもしれませんね。
あ~、あれか。と想像できた方もいると思います。
なかなか想像できない人も安心してください、下の写真にあるのが河津桜の種になります!

大きさは5㎜ほどで硬い殻に覆われています。このような種を硬実種子といいます。硬実種子は種子の内部にまで水が浸透しにくく、芽が殻を破るのも簡単ではないので一般的に発芽しにくいです。
さらに桜の種は休眠打破といって寒さをしっかりと感じないと発芽しません。そのため冬の間湿度をしっかりと保ちながら管理する必要あります。
今回は土の中で休眠打破をさせますが、冷蔵庫で管理する方法もあります。
気になる方は方法を検索してみてください。
ですので失敗しても落ち込むことなく来年も挑戦してやる!という気持ちぐらいでやっていきたいと思います。
(これは発芽しなかったときの言い訳とかではありませんからね!たぶん…)
今回の種子は自家採種したものになります。公園や並木道などで落ちているさくらんぼから種を手に入れてもいいとは思いますができれば知り合いの木から譲ってもらったり桜の種を販売しているところがあればそこから購入したりすることをお勧めします。
公園などの木は誰の所有か分からないのでトラブルになりかねません。採種する場合は自己責任でお願いします。
今回は河津桜の種でチャレンジしますが、他の桜の種類でも方法は同じですのでいろいろな種類でチャレンジしてみてください。
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種を採種!
まずは種を手に入れるところからです!
購入される方はここをすっ飛ばしてOKです!
種を採種するさいのポイントはひとつだけで、しっかりと熟した実から採ることです。
下の写真のように黒く熟しているものから採取しましょう!

ちなみに私の場合は2024年4月21日に2つ採取しました!
播種前に下処理!
これはどの種でも言えることですが、種を手に入れたことだしさっそく蒔こう!ってわけにはいかないんです。
播種(”はしゅ”ー種を蒔くこと)のまえに大事な下処理が必要なのでまずはそれからやっていくことにします!
とくに今回のような果実がついていたり硬実種子であったり休眠打破が必要な種子は下処理がとっても大切な作業になります。
この下処理をせずに、えいやー!と果実が付いたままの種を蒔いてしまうとほぼ100%失敗します。
理由は簡単で果実が腐り、カビてしまいます。桜の種はかなり長い時間を湿度の高い状態で保つ必要があるのでカビやすいです。
カビた種は発芽しませんので要注意です!
果実の処理
先に言っておきますが、手に入れた種が果実に覆われていない場合はこの作業は必要ありません。次の作業に移りましょう。
今回は自家採種した種になるので、種の周りに果肉(さくらんぼの実の部分)がついたままです。
この果肉を綺麗さっぱり取り除いていきます。
ここで重要なのは果肉をしっかりとすべて綺麗に取り除くことです。
少しでも果肉が残っているとカビの発生の原因になります。
取り除く方法は
- 果肉を大まかに手で取り除く
- ブラシでこすり細かな果肉を取り除く
こんな感じでとても簡単です。
ブラシでこするときは桜の種の殻は硬いのでしっかりとこすって大丈夫です。
熟した果肉がついている状態

果肉を取り除いた状態

殺菌の水づくり
次に殺菌を兼ねた水づくりをしていきます。
用意するものは3つだけ!
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容器に水とベンレート水和剤を規定量入れてかき混ぜれば完成!
魔法のベンレート水の出来上がり!
これでカビの発生をしっかりと防げるはず…
水に浸ける
ベンレート水ができれば、あとはそこに種を入れて置いておくだけ!
だいたい丸一日水に浸けておけばOK!
それ以上浸けてもいいですが、長すぎるのはよくないのでほどほどにしましょう。
河津桜の種は浸水直後は水に浮くことがありますが、種が水を含むと沈んでいきます。
沈んだ種は水をしっかりと含んだ証拠であり、発芽率がいいので沈んだ種は期待大ですよ!
浸水の間に土の準備!
種の浸水には時間がかかるので、この間に種を蒔く土を準備していきたいと思います。
今回用意したのは細粒の赤玉土のみです!
細粒でなくても小粒であればOKです。
使用する前に念のため熱湯をかけて消毒殺菌して、播種の天敵であるカビの発生を少しでも抑えるようにしておきます。
当たり前ですが熱湯をかけた直後はものすごく熱いのでしっかりと冷めるのを待ちましょう。
播種用の土は無機物のシンプルな土がベストですよね!
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播種していく!
ついに種を蒔いていきます!
土に2~3㎝ほどの穴をあけてそこに種を入れます。種を入れた後はしっかりと土で覆っていきます。
河津桜の種は長期間の管理になります。この管理の間で一番やってはいけないことが種を乾燥させてしまうことです。乾燥させないためにもしっかりと覆土をして常に湿っている状態を維持しましょう。
これで播種は終わりですが、河津桜の発芽にはまだまだ時間がかかります。
ここからの管理こそが発芽するかどうかを大きく左右させます。
それ以外にも種の鮮度が重要になります。そのため採取からなるべくはやく播種する方がいいです。
今回は2024年4月21日に採種して、その次の日の2024年4月22日に播種しました。
それでは気長に根気よく発芽するのを楽しみに待っていきましょう!
発芽までの管理は?
今回の方法で播種した場合、種の管理期間がおよそ10ヶ月近くあります。かなりの長い期間の管理になります。この間に気を付けたいことはふたつです。
- カビの発生
- 種の乾燥
このふたつをクリアして初めて10か月後に発芽するかどうかのスタートラインに立つことができるんです!
しかし、このカビの発生と種の乾燥は言ってしまえば相反することなんです…
どういうことかというと、
種を乾燥させないように常に湿った状態を維持していれば必然的にカビの発生確率が上がってしまい、かと言ってカビの発生を抑えるために乾燥させると種が発芽能力をなくしてしまいます。
この矛盾する点が桜の発芽の難しいところですよね…
そんなことを考え、では今回どうやって管理しようか…と悩んだすえにたどり着いた答えはとてもシンプルなものでした。
それは…
毎日しっかりと水道水で冠水させてあげる!
ということでした!
冠水とは鉢底からたっぷりと流れ出すほどにしっかりと水やりをすることです。
なぜ毎日の水道水での冠水になったかというと
- 毎日の冠水で乾燥を防止できる
- 清潔な状態が保てる
- 水道水の塩素での殺菌効果によるカビの防止が期待できる
からです!
ただし、夏は乾燥が早いので朝と夕方の2回、冬は土の表面が乾かない頻度で様子を見ながらするようにします。
旅行などで何日か水やりができない場合もあると思います。そのような場合は鉢がはいる容器に鉢の3分の1ほどの水をためてその中に鉢ごと浸けておけばOKです。
あとは直射日光が当たらない明るい日陰に置いて発芽待っていきます!
さあさあ、2つのうちいくつが発芽してくれるのでしょうか…
もしくは全滅か…
楽しみです!
次回は発芽した状況を確認していきたいですね!
河津桜の実生 Vol.2 発芽編を公開しました!
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