[基本の育て方] アロエ ポリフィラを綺麗に育てよう

多肉植物
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アロエ ポリフィラ

学名  : Aloe polyphylla 
和名  : アロエ ポリフィラ 
別名  : スパイラルアロエ
科・属名: ツルボラン亜科 アロエ属
原産地 : レソト王国
開花時期: 真夏および真冬以外
花の色 : 赤系統
花言葉 : 不明

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基本情報

アロエ ポリフィラは多肉質の葉が綺麗に螺旋を描きながら展開をするとても綺麗で優美な植物です。

大きさは最大で現地では直径が70㎝以上になります。日本でも地植えをすれば50㎝の大株を目指せます。
成長速度が遅いと言われているサイトもありますが育成環境がうまくはまれば1年で2~3回り大きくなることもあるので個人的には早い方だと思います。

自生地はレソト王国の高地で、このことから寒さには強い植物になります。またアロエの特徴から乾燥にも強いです。しかしポリフィラは日本のような蒸し暑さにはとても弱く日本での育成には不向きな部類に入ります。

ポリフィラは生息地が特殊で狭い範囲のみであるため自然界での生息数が少なく、絶滅危惧種に指定されており、螺旋状の美しい姿も相まってコレクターにも人気のアロエになります。

日本での花の開花時期は不定期で、真夏と真冬に開花することはないと思われます。
花の色は赤系統の色で株によって多少の違いがあります。

特長

ポリフィラの一番の特徴は葉が螺旋状に展開することです。
この螺旋を形成するにはある程度成長した中株以上にならないと現れません。

螺旋の向きは左回りも右回りもあります。どちら巻きかは成長して螺旋してみないと分かりません。
どちらにしても螺旋の向き以外での大きな違い、例えば育成の難易度や貴重性などに違いはないのであまり気にする必要はありません。強いて言えば、好みの問題ですね。

育てるうえでの特徴は高温多湿に弱いということです。

ポリフィラの自生地であるレソト王国は一年中雨が降る地域であり、湿潤な地域に分類されていますが、夏でも涼しい地域になります。

日本の夏の気候は高温多湿で自生地とは違うことが分かります。
そのためポリフィラを育てるうえでは夏の対策は必須になります。

環境

置き場所

ポリフィラの置き場所はポリフィラを枯らさないためのとても重要な要素になります。

室内の場合は風通しがよく日光が3~5時間当たるような日当たりのよい場所に置くといいでしょう。

屋外管理の場合は注意がかなり必要です。

まず第一に雨ざらしは避けましょう。

ポリフィラはアロエなので乾燥に強いですが、水が嫌いなわけではありません。
むしろ育ててみた感想になりますが、水を好む品種であり、乾燥した状態が続くと葉先がすぐに枯れます。

ただ、ポリフィラは高温多湿な状況を嫌います。
多湿だけであれば枯れるほどではありませんが多湿な状況に高温が掛け合わさると一気に根腐れや株元の腐りを引き起こしてしまいます。

自生地が夏でも最高気温が25℃付近であることから日本の夏のような高温多湿には耐えることができないのです。

次に夏は一日中直射日光が当たる場所も避けましょう。

ポリフィラは日光が好きな植物ではありますが夏の暑い日に一日中直射日光が当たる場所で育てると葉の先から枯れ込んでいきます。また、直射日光が強く当たりすぎた葉には薄紫の斑点が現れ、そこから葉が腐ります。
とくに夏場は多湿も合わさり条件次第では一日でポリフィラをダメにしてしまうこともあるので要注意です。

直射日光を避けられない場合は遮光ネットを使ってみるといいでしょう。

では屋外管理の場合にポリフィラにとって最もよい場所はどこかというと、午前中は直射日光があたり午後は明るい日陰になる場所で、屋根があり雨ざらしにならず、風通しが良い場所となります。

地植えについて
日本の場合、ポリフィラの地植えに適していません。
とくに初心者の方はやめておきましょう。
日本の環境に慣れた大株もしくは夏の対策ができる環境であれば可能ですが、初心者にとっては難しいです。

温度

ポリフィラにとっての適温は20℃前後であり、日本でいうと春と秋に当たります。

ポリフィラは寒さに強く、耐寒温度は-10℃とも言われるほどですがそこまで低い気温になると葉が痛むことが多いです。
また、霜にあたることでも葉が痛みます。
0℃までで霜にあてなければ葉が痛まずに寒さに耐えることができます。

寒さには強いほうですが暑さにはとても弱いです。
30℃超えてくるとポリフィラにとってはかなり厳しい状況になります。

室内管理の場合、エアコンで温度管理をする方は、エアコンの風が直接当たらないようにしましょう。
また室外機の前に置くことも控えましょう。

用土

ポリフィラを育てる用土で最も考慮したいことが”水はけ”です。

ポリフィラは高温多湿な環境を作らないことが一番重要なことであり、そのために水はけをかなり重視した用土を用意する必要があります。

具体的な用土の一例として、硬質赤玉土:4、日向土もしくは軽石:5、竹炭:0.5、ゼオライト:0.5をしっかりと混ぜ合わせて用土を作ります。
これは一例ですので、皆様の環境に適した用土を作ってください。その際に注意点として”水はけ”を一番に考慮することです。

用土のなかにマグァンプkを適量入れておけば肥料についてもOKです。ポリフィラは肥料をあまり必要としませんので。

地植えについて
地植えの場合は直径40㎝深さ30㎝ほどの大きさの穴に水はけを考慮した用土を入れて植えてください。
直径が40㎝以上ある大株については株の一回り大きな穴を作って用土を入れて植え付けてください。

土の表面を化粧石などで覆うことは鑑賞性がよくなりますが蒸れの原因になりますので控えた方がよいでしょう。

育て方

水やり

ポリフィラを綺麗に育てるには水がとても重要になります。

基本的にポリフィラの水やりは他のアロエと同じように用土が乾いたらしっかりと水やりをすることです。

ただし注意して欲しいのがポリフィラが乾燥を好むということではないということです。
よく他のサイトなどには乾燥を好む植物だと書かれていますがそんなことはありません。日本の環境では蒸れないように乾燥気味で育てた方が育てやすいからそう思われているだけです。

ポリフィラの自生地は雨がしっかりと降る地域であり、それなりに湿潤な環境のため乾燥が続くよりもしっかりと水やりをした方が綺麗に育ちます。

もちろんポリフィラはアロエなので乾燥に強いです。ですが乾燥した状態が続くと葉先が枯れ綺麗な状態を維持できません。

綺麗に葉が螺旋を描いても葉先の枯れが目立っては台無しです。

そのため用土が乾いてからさらに数日放置するのではなく、用土が乾いたらしっかりと水やりをすることを心がけ、乾燥させすぎないようにしましょう。

鉢受けを使用している場合は鉢受けに残った水は必ず捨てておきましょう。
蒸れによる根腐れの原因になります。

肥料

ポリフィラは肥料をあまり必要としません。基本的には植え替え時にマグァンプkを適量用土に入れておけば大丈夫です。

ですが、ポリフィラを綺麗に健康的に育てるうえでは肥料をあげた方がいい場合もあります。

ポリフィラに肥料を与えるタイミングは葉色で分かります。

普段はしっかりとした色の緑をしているポリフィラですが、肥料が欲しいときは株全体の葉の色が抜けて薄い緑もしくは黄緑に葉色が変化します。

変化はゆっくりしているので気づきにくいかもしれませんが、葉色がいい状態の写真などで見比べるとはっきりと分かります。

葉色が薄いポリフィラには規定量の液体肥料を水やりのときに与えます。
頻度は2週間の一度ぐらいを目安にこれ以上与えすぎないようにしましょう。肥料の与えすぎは軟弱な株にしてしまう原因になります。

また、与える時期は成長期の春と秋がよく、それ以外はポリフィラの成長が止まっている可能性があり、肥料を与えても効果が薄いうえに肥料やけになる可能性があります。

葉色が戻れば肥料をやめても大丈夫です。

肥料切れ=元肥(植え替え時に肥料)が切れた ということですので植え替えるタイミングかもしれません。

病気

ポリフィラは病気には強いですが、高温多湿の環境下では株に様々な不調が現れます。
そのなかでもよく現れるのが葉の黒点です。

ポリフィラは蒸れによるダメージが葉に現れやすく、黒もしくは紫色の斑点ができることがあります。

この黒点の原因がなにであるかは正直分かりませんが、菌などによる病気(いわゆる黒点病)なのかと言われると違う気がします。(これは私の感想になります。)

経験談からこの黒点は夏に水やりをした日に強い直射日光を長時間浴びているとよく現れたことから、蒸れによるダメージと直射日光によるダメージからくる葉の部分的な腐りと考えられます。

この黒点は一度できてしまうと元の状態に戻ることがなく、黒点の場所が凹みます。症状が悪い場合は黒点の面積が広がっていきます。

黒点が現れた場合は日光が長時間当たらない風通しのよい涼しい場所に移動させ、なるべく早く蒸れを取り除くようにします。

黒点の広がりが収まらない場合は葉を切り落とし、切口を消毒しておきましょう。

害虫

アブラムシは体調が3㎜~4㎜ほどの緑色をした小さな虫です。

単為生殖でき、毎日5匹程度の幼虫を生むため一匹でもいれば爆発的に増えることができます。

アブラムシはポリフィラの葉から養分を吸い甘い分泌液を出しアリと共存していることが多いです。

緑の小さな虫とアリがいればそれがアブラムシの可能性が高いです。

アブラムシの手っ取り早い対策は水で洗い流すことです。
水やりの際に葉が痛まない程度の強めの水圧でしっかりと洗い流すことでアブラムシは流れ落ちます。

またアブラムシは葉の養分を吸うことから植物自体に薬剤効果を持たせるようなオルトランを使用することもおすすめです。

オルトランは他の害虫も駆除できるのでかなり優秀です。また、株元に撒くだけで水に溶けだした薬剤成分を根から吸収し植物全体に行き渡るのでとても簡単に対策ができます。

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カイガラムシはかなり小さな害虫で、ポリフィラの葉から養分を吸い、株を弱らせていきます。

カイガラムシは小さいですが密集して生息するため1㎜~3㎜ほどの白いものがたくさんついている場合はカイガラムシの可能性が高いです。また、カイガラムシの排泄物は糖分が多く含まれておりアリが群がっている様子もよく見られます。

成虫は貝殻のように硬い殻に守られているため薬剤への抵抗が強いのが特徴です。
また手で駆除することは難しいです。

カイガラムシを見つけた場合は葉をできるだけ傷つけないように歯ブラシなどでこすって落とすかひどい場合は葉ごと切り落としましょう。

害虫全般に言えることですが、風通しを良くすることでカイガラムシの発生を抑えることができます。

植え替え

ポリフィラは定期的に植え替えをする必要があります。植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになり根詰まりを起こしてしまいます。
とくに上手に育てることができれば根張りがいい分、一気に成長します。
そのため環境にもよりますが、1~2年に1度の頻度で1回り大きい鉢に植え替えるのが基本になります。

植え替えの時期としては暖かくなり始めた3月の中旬ころから6月頃までがよいでしょう。成長期に合わせることによって根がしっかりと土を掴み夏までに根付いてくれます。

植え替え時のポイントとしては

  • 鉢を白に近い色にする
  • 根をあまりいじらない
  • 枯れた下葉を処理する

です。

鉢を白に近い色にする理由は簡単で、太陽の光で鉢の内部の温度をあげないためです。蒸れ・暑さ対策ということです。

根をいじらないのはポリフィラが根をいじられることを嫌がるためです。
根をいじってしまうとぐずって成長が止まったり葉の色が悪くなったりといいことがありません。
目立つ古い根を切るくらいにして、できれば鉢から鉢へそのまま移すのがいいでしょう。

鉢から抜いたついでに下葉を整理することで新しい根の発根を促したり、蒸れないように株元の風通しをよくできます。

土は用土のとこを参考に水はけのよい土を使用し、鉢底には鉢底石を入れてあげましょう。

剪定・切り戻し

ポリフィラは木立しないので剪定はありません。

強いて言えば枯れた下葉を取り除く程度です。枯れた下葉は蒸れの原因にもなるので定期的に取り除いてあげた方がいいです。

枯葉はカサカサで棘が痛いですので作業時は手袋をすることをおススメします。

増やし方

ポリフィラは種から増やすことができます。

種の発芽率は30%程度であまりよくありませんが温度管理と湿度管理さえできれば誰にでも発芽のチャンスはあります。

とくに温度管理が重要で、ポリフィラの種は26℃以下で管理する必要があり、できれば昼の温度が22℃くらいで夜の温度は15℃くらいになり少し寒さを感じさせる方が発芽を促すことができます。

ポリフィラの実生に挑戦している記事もありますので参考にしてみてください。

以上がアロエ ポリフィラを綺麗に育てるための基本的な育て方になります。
少しでも参考になった部分があれば嬉しいです。

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