特徴
オトシンクルスの特徴はなんといっても吸盤状の口です。この吸盤状の口で水草や岩、流木、水槽のガラス面等に吸い付いてそこに付着している藻類や苔を食べてくれます。そのため、水槽のお掃除屋さんとしてヤマトヌマエビやミナミヌマエビと同じくらいポピュラーな熱帯魚です。
性格はとても穏和で混泳に向いており、様々な水槽に導入することができる優秀な熱帯魚です。
オトシンクルスは水質の変化に敏感ではありますが、基本的に初心者でも飼育がしやすいです。ただし、餌は基本的に植物性のものを好むため水槽内に藻類や苔が少ないと痩せて餓死してしまう可能性があるので注意が必要です。小型水槽(30㎝クラスの水槽)で飼育する場合は1匹か多くても2匹までにしておきましょう。苔取り能力にとても優れているので少ない匹数で十分です。
オトシンクルスには同じ種類のオトシンネグロやゼブラオトシンなどがいますがオトシンクルスが最も流通量が多く安価で手に入れやすい種類です。
オトシンクルスを飼育する点で最も重要なことの一つに飼育密度があります。飼育密度が高すぎると餓死の危険性が高くなります。飼育密度はしっかりと守りましょう。
(熱帯魚・生体)
オトシンクルス
飼育環境
水質
オトシンクルスは初心者にも人気の熱帯魚ですが、水質にはすこし敏感なところがあります。とはいえ極端に神経質になる必要もなく、ph6.0~7.0を目安に水質を安定させれば問題はありません。
水質の変化はストレスを与えるので導入の際などはしっかりと水合わせを行いましょう。
水温
オトシンクルスは南米の温かい地域原産の熱帯魚ですので水温は22℃~27℃の範囲で飼育しましょう。ただ22℃付近の低温では白点病にかかりやすくなるので25℃を目安に水温を一定に保つようにするとストレスや病気が少なく健康に飼育することができます。
レイアウト
オトシンクルスは夜行性の熱帯魚で野生では明るい昼の間は岩や水草、流木の影等に隠れています。そのため、水槽のレイアウトも隠れられるように岩などを入れて自然の環境に近づけてあげると良いでしょう。
色々なところに吸い付いてくっついているオトシンクルスを見て楽しむこともできるので様々なレイアウトを試してみるのも楽しいかもしれませんね。
餌
オトシンクルスは草食性が強い魚種で、自然界でも岩や流木に付いている苔を食べています。水槽内でもガラス面や岩などに発生する苔を食べてくれます。そのため、水槽内に十分な苔がある場合は餌を与えなくとも餓死することはありませんが、逆を言うと水槽内に苔がなくなると餓死してしまう可能性があります。また、植物質の多い人口餌を用意しても餌付かないこともあります。餌付かない場合は何種類か人口餌を試してみて食いつきの良いものを探しましょう。
おすすめの人口餌は ”ひかりクレスト プレコ” です。タブレット状の餌で植物性原料がメインになっているのでオトシンクルスの食いつきが良いと評判です。
オトシンクルスの死因で多いのが餓死なので餌についてはしっかりと考えてあげましょう。
人口餌は嗜好性が強い(めちゃ美味しい)ので人口餌を与えすぎると水槽内に発生する苔を食べなくなってしまいます。こうなると水槽のお掃除要因として導入している方はオトシンクルスの持ち腐れになってしまいますので気をつけましょう。
混泳
オトシンクルスは基本的に混泳に向いている魚です。大型魚がいないのであれば、だいたいの水槽に苔取り要因として導入することができます。
ただし、攻撃的な魚種(ベタ、エンゼルフィッシュなど)と混泳させる場合は隠れ場所を多く用意してあげましょう。あまりにも攻撃がひどい場合はヒレが齧られたりストレスを感じて衰弱するのでそういった状況が見受けられる場合は別の水槽に移してあげるなどをしてあげましょう。
また、餌をあげている場合は水槽の下層を生活圏としているコリドラスやエビたちに餌を取られていないかを確認してあげましょう。オトシンクルスの一番の死因は餓死なので特に気をつけて観察してあげましょう。
おすすめの魚の特徴
- 攻撃的でない熱帯魚
たいがいの熱帯魚は混泳可能です。 - 生活圏が上層と中層の熱帯魚
下層が生活圏だと餌の取り合いになる可能性があります。
混泳可能なおすすめの熱帯魚
- カラシン系
- グッピー
- オトシンネグロなどの同種
病気
丈夫で初心者にもおすすめのオトシンクルスでも衰弱やストレス、ケガなどが原因で病気にかかることがあります。病気は早期発見と早期治療に限るので、毎日異常がないかを確認してあげましょう。
オトシンクルスがかかりやすい病気として白点病と水カビ病があります。症状や治療方法などを簡単に書きましたので参考にしてください。
白点病
白点病はヒレに白い斑点ができ、それが全身に広がっていく病気です。体力がない時によくかかる病気ですので輸入されてすぐの個体や購入してすぐの個体はよく観察をしてあげましょう。
もし白点病の症状が出てしまった場合はその個体をすぐに別の水槽に隔離し、塩浴やメチレンブルーなどでの薬浴を1週間ほどさせてあげましょう。
水カビ病
水カビ病は白い水カビが体の表面に綿のように付着する病気です。水カビがエラに付着すると呼吸困難を引き起こし死んでしまいます。水槽内には少なからずカビ菌が存在するので食べのこしや水替えを怠るとすぐに発生してしまう可能性がある病気とも言えます。
もし水カビ病が発症している場合は水替えを行い餌の食べ残し等も除去したうえで塩浴や薬浴させてあげましょう。水カビ病に効き目のある薬は「エルバ―ジュエース」や「ニューグリーンF」があります。
その他の熱帯魚がかかりやすい病気も紹介しておきます。
おぐされ病
おぐされ病はヒレが腐ったかのようにボロボロになってしまう病気です。
もしおぐされ病の症状が見受けられる場合は水替えを頻繁に行うようにするか隔離してヒコサンZなどを使って薬浴をさせましょう。塩浴は逆効果になる可能性があるので控えておきましょう。
穴あき病
穴あき病は体に穴が空いたように外傷ができる病気で、鱗が剥がれてしまいます。鱗が剥がれた部分は肉が覗き、そこからウイルスや寄生虫にかかりやすくなることから他の病気も併発してしまう可能性が高い病気です。
もし穴あき病になってしまった場合はその個体をすぐに別の水槽に隔離し、塩浴やグリーンFゴールドリキッドなどでの薬浴を1週間ほどさせてあげましょう。
繁殖
オトシンクルスの繁殖はできないことはないですが、やや難しいです。ただし環境を整えてあげることで繁殖を狙うことも十分可能です。
オトシンクルスの繁殖は、水草の多いこととオスとメスの比率が2:1であることが適した環境になります。水草はコケが付着することで餌になったり、稚魚の隠れ家になったりもします。また、オスとメスの比率を2:1にすることで繁殖が起きやすいようです。
オスとメスの見分けはメスのほうがオスに比べて大きくお腹がふっくらとしているのが特徴です。比較的見分けがつきやすいのでオスとメスの比率を調整してみてください。
オトシンクルスの卵は薄い黄緑色で1mmほどしかないのでメスのお腹が小さくなったのを確認できたら水槽面や水草をよく観察してみましょう。
卵自体は2~3日で孵化します。孵化から数日はヨークサックがあるので餌は必要ないですが、ヨークサックがなくなると餌が必要になるのでブラインシュリンプやインフゾリアを与えてあげましょう。
オトシンクルスの繁殖は難しいといえ、自然に繁殖することもあるので気軽に挑戦してみてください。
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