オリーブの木の育て方

植物紹介
スポンサーリンク
オリーブ

学名  : Olea europaea 
和名  : 橄欖(かんらん)
別名  : ―
科・属名: モクセイ科 オリーブ属
原産地 : トルコ(地中海沿岸からアフリカ北岸)
開花時期: 5月~6月
花の色 : 白
花言葉 : 平和、知恵

スポンサーリンク

基本情報

シンボルツリーとしてとても人気のオリーブは原産地がトルコと言われており、そこから地中海沿岸一帯に広がっていきました。今では世界に1,000種類以上もの品種があります。

オリーブの木は誰しもが一度は見たことがあるほど私たちの生活に馴染んでいます。また、オリーブといえば実がとても有名で、その実からとれる油分こそがオリーブオイルとして売られています。
日本でも世界でも誰しもが知っている木、それがオリーブの木なんです!

そんなオリーブの木だからこそ、いろいろな伝承や神話にも登場します。
オリーブは幸せを呼ぶと言われており、花言葉も「平和」と「知恵」があり、どちらも幸せを呼ぶオリーブにぴったりの言葉になっています。
このふたつの花言葉の「平和」は旧約聖書から、「知恵」はギリシャ神話から付けられています。

「平和」は旧約聖書のノアの箱舟の物語で大洪水の後に鳩がオリーブの枝を持ち帰ってきたことで陸地ができたことを知らせたところからきています。

「知恵」はギリシャ神話の有名な神であるアテナがポセイドンとの争いの際に、人々にオリーブを送り、様々な用途に使える「知恵」の贈り物で勝利したことからきています。ちなみに、ポセイドンに勝利して手に入れた土地がオリンピックの聖地であるアテネであり、オリンピックの勝者にオリーブの冠が贈られるのもここから由来したものです。

花言葉の由来について気になる方はもっと調べてみると面白いですよ!

特長

オリーブは葉の美しさと木のたたずまいが洋風を感じさせるとても人気の植物です。また、品種がとても多く、品種によって葉の裏が白くなり遠目から銀色に見えるものや樹勢が真っすぐになりやすいもの、丸くなりやすいもの、花粉がおおいもの、実がつきやすいものなどなどたくさんの様々な品種を楽しめます。

オリーブは自生地が地中海性気候の地中海沿岸になります。地中海性気候は夏に乾燥した日が続くことが多く、乾燥には強いです。また、常緑樹でもあるので一年中銀色の美しい葉を楽しむことができるのも魅力的な特徴となります。

その他にも実を食べることができたり、油をとったりと楽しめることが多いのもオリーブの特徴になります。ただ、実をつけるには違う品種の花粉が必要になるので、実を楽しみたいときには少なくとも2つの品種が必要になります。

SOUJUさんのオリジナルブランド”オリーミー”という品種は1本の木から2品種の花粉が取れることから、1本で実をつけることができます。魅力的な品種なので興味がある方は調べてみてください!
SOUJUさんはオリーブ業界では超有名なので安心して購入できますよ!

オリーブには若々しい木のイメージを持っている方が多いと思いますが、オリーブの中でも貴重で価値のあるオリーブの”古木”というものがあります。
生き生きとした生命力とは違い、古木ならではの力強い生命力を感じることができます。
気になる方は探してみてください。目玉が飛び出る値段です…

環境

置き場所

オリーブは日当りがとてもよく風通しのよい場所を好みます。また観葉植物として売られていますがオリーブは樹木です。樹木は基本的に屋外での育成となります。そのため屋内での育成は不向きになります。できるかぎり屋外の環境で育てることをおすすめします。どうしても室内で育てたい場合は南向きの窓際もしくは植物育成用LEDライトを使用するなど光を確保してあげましょう。

また屋外をおすすめするもう一つの理由として花があります。オリーブは冬の寒さ(だいたい10℃以下)をひと月ほど感じさせないと花が咲かないという特徴があります。屋外であれば問題なく寒さをオリーブが感じることができますが、一年中室内ではなかなか寒さを感じさせるのが難しくなります。そのため、花を室内育成で楽しみたい場合は冬の少しの間だけでも外に出してあげましょう。

オリーブをシンボルツリーとして地植えをする場合は建物から最低でも2mは建物から離して植えましょう。根が建物を傷つける可能性があります。

温度

オリーブは耐寒性がマイナス10℃ほどあり、東北より北の地域以外では屋外で一年中管理することができます。

また、夏の暑さと日差しにも強いので、西日が当たるような場所でもしっかりと根付いていれば問題なく育ちます。
ただ、オリーブは夏が乾燥している地中海性気候の植物なので、日本の夏の蒸れには要注意です。特に梅雨時期や夏の夕立は蒸れやすいので気を付けてください。

ベランダ管理の場合、エアコンの室外機からの風が直接当たらないようにしましょう。
エアコンの室外機の風は温かく乾燥しているので植物にとっては害になります。

用土

オリーブの用土で気を付けることは”排水性が良いこと”と”弱アルカリ性にすること”です。このふたつのポイントさえ押さえておけばオリーブは健康的にすくすくと育ちます。

まず排水性ですが、市販のオリーブの土に軽石もしくは日向土を3割ほど混ぜると排水性がかなり良くなります。市販のオリーブの土をそのまま使用しても大丈夫ですが、このひと工夫でかなり違いがでるのでやっておいて損はないです。

次に弱アルカリ性についてですが、日本は酸性雨が降ることから屋外の雨ざらしの場所では用土が酸性に傾きやすいです。また、多くの市販の土は中性から弱酸性のものが多く、軽石は中性、日向土は弱酸性になります。そのため、用土を弱アルカリ性にするにはアルカリ性の用土を配合してあげる必要があります。おすすめのアルカリ性用土は苦土石灰です。どこの園芸店にも必ずおいているような用土で簡単に手に入れることができます。

地植えの場合はオリーブの木1本に対して完熟堆肥20㎏と苦土石灰300gを混ぜて土づくりをしますが、完熟堆肥を先に施用し1ヶ月ほど待ってから苦土石灰を施用しましょう。堆肥は微生物の分解により施用後すぐは様々な問題が発生するので分解が落ち着くまで待ってあげましょう。

苦土石灰はかなり強いアルカリ性なので用量を守って使用するようにしましょう。

  • Amazon
  • Rakuten

購入はこちらから↓

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

朝日アグリア ハイパワー苦土石灰 4kg
価格:1,280円(税込、送料別) (2025/2/25時点)


育て方

水やり

地植えの場合、ほとんど水やりは必要ありません。夏の雨が降らない日が一週間ほど続くような時だけ、日中を避けて株もとにしっかりと水を浸み込ませてあげましょう。

鉢植えの場合は、土が乾いたら鉢底から水がしっかりと出るくらいにたっぷりと水やりをしてあげましょう。オリーブは多湿を嫌いますが、水はよく吸い上げます。そのため、乾きやすい梅雨明けから9月の間は特に気を付けて水やりをしてあげましょう。また、この期間は日中に水やりをすると太陽の強い熱によって鉢の中が蒸れてしまうので、朝方か夕方に水やりをすることを心掛けてあげるといいですよ!反対に冬は鉢の中で根が凍らないように夕方は避けて、午前10時ごろの気温が上がる時間帯に水やりをしてあげましょう。

オリーブの水やりは多頻度で少量の水やりよりも、しっかりと乾かしてからたっぷりの水での水やりが基本です。
初心者の方は、指の第一関節ほどの深さの土がしっかりと乾いているのを確認してから水やりをしましょう。
また、鉢受けに残った水は根腐れの原因になるので、水やりの度にしっかりと捨てましょう。

肥料

オリーブに実をつけたり、綺麗に育てたりする場合は必ず肥料が必要になります。肥料を適切に施さないと樹勢を崩したり、花や実の付き方が悪かったり、ヒョロヒョロの弱々しい木に育ってしまいます。
肥料は適切な時期に適切な肥料の種類を使用することで効果を得ることができますので、オリーブの施肥について確認していきましょう。

まずオリーブに肥料を施す時期は1年に3回ありまず。それぞれ、2月(寒肥)、6月(夏肥)、10月(秋肥)になります。

2月(寒肥)はまだ寒く、オリーブも動き出していないときに緩効性の肥料を与えることで、暖かくなりオリーブが芽吹きだした頃に肥料が効き始めます。この時期に肥料がうまくオリーブに吸収されることで、芽吹きや花芽の量が増え、オリーブより健康に成長することを助けるとても重要な肥料となります。

2月頃の肥料を”寒肥”と言うほかに”春肥”や”元肥”と呼ぶ場合もあります!

植え替え時に肥料を与えすぎると根腐れの原因になります。肥料は新しい根が伸び始める2週間後を目安に追肥してあげるといいでしょう!

6月(夏肥)は成長期に充実した枝を作ることによって夏の猛烈な暑さに耐える力と果実の結果を促進させることが目的になります。また、鉢植えの場合は土の量が限られており、水やりで肥料が鉢の外へ流れやすいので、しっかりと追肥してあげることでオリーブの成長をより良くすることができます。
この時期の肥料は、置き肥であれば速効性のある化成肥料を与えるといいでしょう。液体肥料であれば2週間に一度程度水やりのときに混ぜて与えましょう。

10月(秋肥)はオリーブが実をつけることによって体力を消耗した樹体を回復させることができます。このことからこの時期の施肥を”お礼肥”とも呼びます。収穫前に肥料を与えることで実の肥大にも繋がるので必ず実施しましょう。
使用する肥料は速効性のある化成肥料もしくは液体肥料を与えましょう。

肥料について何を使用していいか分からない場合はオリーブ専用の肥料をパッケージの表記通りに施肥してあげると簡単かつ確実ですよ!

病気

オリーブを育てるうえで気を付けたいのが炭疽病と梢枯病です。どちらも同じ糸状菌が原因の病気になります。病気の早期発見や発見時に対処方法に困らないためにこの2つの病気については知識を付けておきましょう。

炭疽病は糸状菌と言われるカビの一種が葉や枝、実などに侵入することで発生する病気です。特にオリーブの場合は果実に症状が出やすく、炭疽病になった果実は褐色の病斑が現れ、いびつな形になったのちに腐敗していきます。

炭疽病の原因がカビであることから発生時期は気温と湿度が高く、果実が熟す7月~11月頃に多く、特に気温が20度以上で湿度が高い日が続く時期は注意が必要です。

残念なことに一度炭疽病にかかってしまった果実がもとに戻ることはありません。さらに厄介なことに炭疽病の原因であるカビの胞子が雨水や風によって周囲に飛散し感染が拡大していきます。

炭疽病の予防策としてもっとも簡単な方法は、風通しをよくすることです。原因であるカビが好む湿気を風通しをよくすることで取り除くことでカビの発生をかなり抑えることができます。
また、窒素過多になると植物が病気になりやすいので肥料の窒素分を控えてみるのも予防になります。
その他にも、薬剤での予防もでき、STダコニール1000やアミスター10 フロアブルがオススメになります。

それでも炭疽病になってしまう実は少なからず出てくることがあります。そういった場合は炭疽病になった実はできる限り早めに取り除き、その場に捨てずにしっかりと処分しましょう。ついでに落ちてしまった実も拾い、捨てましょう。

オリーブの種類によって炭疽病になりにくい品種・なりやすい品種があります。

炭疽病になりにくい
・ルッカ、ルッチーノ、ピクアル
炭疽病になりやすい
・ネバディロブランコ、シプレッシーノ
普通
・ミッション

梢枯病も炭疽病と同様に糸状菌が原因であり、枝先から感染することで発生する病気です。感染した枝は先の方から茶色に変色していき、葉も落ち、枝全体が枯れていきます。

同じような枝の枯れでも水不足による水枯れの場合は葉が丸まり徐々に茶色に変色していきますが、梢枯病の場合はまたたくまに茶色くなります。

発生時期は原因であるカビが繁殖しやすい5月~10月頃で、とくに梅雨や長雨が続くときは要注意です。

梢枯病の予防策は炭疽病と同じで風通し良くすることが一番です。
また、発症部分は健康的な枝を2~3㎝ほど一緒に切り落とし、切口に殺菌剤であるトップジン水和剤やペンコゼフ水和剤を塗りましょう。殺菌作用だけでなく切口の保護もできるので必ずやりましょう。

切り落とした枝や落ちた葉などは必ず拾い集め、ゴミ箱に捨てておきましょう。地面などに放置しておくとそこから菌が別のところに感染します。

病気と同じぐらい気を付けたいのが害虫です。オリーブを食害する害虫にはオリーブを好んで食べるような虫もいます。発見が遅れると手遅れになることもあるのでしっかりと対策をしましょう。

オリーブアナアキゾウムシはオリーブと一緒に海外から来た外来種のような名前をしていますが、日本に昔からいる在来種です。オリーブが輸入され一般的な庭木になってからオリーブをよく食害しているところから名前が付けられたようです。

この虫は成虫がオリーブの樹皮に卵を産み付け、ふ化した幼虫が幹の内側を食べて大きくなり成虫になってから木の外に出ていきます。そのため幼虫が出てきた穴をみて初めて気付くことが多いです。
オリーブアナアキゾウムシがいるオリーブには株元に穴が空いており、茶色のおがくず状のものが出ています。

オリーブアナアキゾウムシの活動時期は暖かい季節で、オリーブの被害も暖かい4月~11月頃になります。

オリーブアナアキゾウムシへの対策として簡単かつ効果的なことはオリーブの株元を常にきれいにしておくことです。

すでにおあがくず状のものが株元に出ている場合は穴を探したり、幹を少しはがして幼虫を捕殺しましょう。成長も見つけしだい捕殺しましょう。

薬での予防と駆除を行う場合はスミチオン乳化剤が効果的です。

オリーブアナアキゾウムシの成虫は刺激を与えると体が硬直し死んだふりをします。捕殺する際に固まったているから死んだものだと勘違いして取り逃がさないようにしましょう!

ネキリムシとはコガネムシの幼虫のことで、THE・幼虫って見た目をしています。ネキリムシは名前からも分かるように根を食べるためどんどん根っこが切られていきます。根っこが少なくなると当然ですが生育が悪くなります。

地面をしっかりと掴んでいるはずの根が少なくなるとオリーブがグラグラし、根からの水分や栄養が少なくなることで葉の色も悪くなります。

これらの症状がある場合はネキリムシが食害をしている兆候かもしれないので注意しましょう。

ネキリムシはコガネムシになるまでは土の中にいるため、なかなか見つけることが難しいです。運よく見つけることができた場合は捕殺しましょう。

ネキリムシへの効果的な対策は土の中に侵入させないことです。ウッドチップや化粧石などで表土を覆うことで侵入を防ぐことができます。

鉢植えの場合でネキリムシがいる可能性が高い場合は、古い土をしっかりと落として清潔な土に植え替えをするといいでしょう。

カイガラムシはかなり小さな害虫で、オリーブの樹液を吸い、オリーブ自体を弱らせていきます。

カイガラムシは小さいですが密集して生息するため1㎜~3㎜ほどの白いものがたくさんついている場合はカイガラムシの可能性が高いです。また、カイガラムシの排泄物は糖分が多く含まれておりアリが群がっている様子もよく見られます。

成虫は貝殻のように硬い殻に守られているため薬剤への抵抗が強いの特徴です。

カイガラムシを見つけた場合はオリーブを傷つけないように歯ブラシなどでこすって落とすか枝ごと切り落としましょう。

害虫全般に言えることですが、風通しを良くすることでカイガラムシの発生を抑えることができます。

スズメガで気を付けたいのは幼虫です。スズメガの幼虫はイモムシに角のようなものが生えた見た目をしており、食いしん坊です。スズメガの幼虫がいるとあっという間に葉を食い荒らされてしまい、光合成を阻害されます。

葉が食い荒らせていたり、黒い糞が落ちている場合はスズメガの幼虫がいる可能性が高いです。

スズメガの幼虫の対策としては葉の食害や糞などの兆候を見逃さず、早めに捕殺することはもちろんですが、個人的にはオルトラン粒剤という薬剤を使用して対策をするといいでしょう。

オルトランはオリーブがオルトランの成分を根から吸収することによってオリーブ自体に薬剤の効果を持たせる方法です。これにより害虫にとっては毒を食べることになるので害虫を寄せ付けない効果を発揮します。

植木鉢の場合は植え替えのときに用土に混ぜ、地植えの場合は株元に撒くと雨や水やりなどで溶けだした成分を根が吸収してくれます。

オルトランはここで紹介した他の害虫にも効き目があるのでぜひ使用してみてください!

  • Amazon
  • Rakuten

購入はこちらから↓

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

住友化学園芸 オルトランDX粒剤 1kg
価格:1,280円(税込、送料別) (2025/2/25時点)


植え替え

オリーブは定期的に植え替えをする必要があります。植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになり根詰まりを起こし生育が悪くなります。

鉢植えの場合は環境にもよりますが、1~2年に1度の頻度で1回り大きい鉢に植え替えるのが基本になります。
根についている土はある程度落とし、古い根を整理してほぐしてから植え替えましょう。

植え替えの時期としては温かくなり新芽が出始める4月の中旬ころから6月頃までがよいでしょう。成長期に合わせることによって根がしっかりと土を掴み根付いてくれます。

土は用土のとこを参考にしてください!

剪定・切り戻し

剪定は切れ味の良いハサミやナイフを使って古くなった葉や枝(茎)を間引き、通気性を良くしてください。剪定は生長期の後半か、生長期が終わった後に行うのがおすすめです。

剪定後は切口を保護材などで守ってあげることで病気などのリスクを回避できます。

オリーブは剪定することによって、より良い樹勢にすることが可能です。1年に1度はやっておきたいところです。

剪定にはできる限り切れ味のよい剪定ばさみを使いましょう!

増やし方

オリーブは基本的に挿し木で増やすことができます。ただしオリーブの挿し木が成功する確率は低いので挿し木で増やしたい場合は数を多めに用意しましょう。だいたい10本に1~2本の確立で成功するものだと考えてください。

オリーブの挿し木についてはまた詳しい内容を別記事で紹介する予定ですので気長にお待ちください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました