エケべリア 基本の育て方

多肉植物
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エケべリア

学名  :Echeveria
和名  :エケべリア
別名  :多肉植物のバラ
科・属名:ベンケイソウ科 エケべリア属
原産地 :主にメキシコ
開花時期:2月~7月
花の色 :種類により様々
花言葉 :優美、たくましさ、穏やか、風雅

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基本情報

エケべリアは代表的な多肉植物の一種で品種が豊富で育てやすいことから多肉植物の初心者にもおすすめの植物です。

エケべリアは原種だけで約180種ほどもあり、交配種も含めると把握できないほどの品種があります。
葉の形や色、花の色など品種によって様々な種類があり、秋には紅葉する品種もあるのでお気に入りの品種が見つかるかも?

原産地はメキシコ周辺の中南米で乾燥した地域のため、エケべリアは乾燥に強い植物で育てやすい植物です。

エケべリアは属の名前であってエケべリアという品種の植物があるわけではありません。例えば、ブドウは「巨峰」や「ピオーネ」「藤稔」などのブドウ属の品種の総称であり、ブドウという名前の植物がないのと同じです。

(植物・本)
多肉植物 エケべリア

特徴

我が家のエケべリア

エケべリアの共通した最大の特徴は肉厚な葉が重なり合ってロゼットを形成することです。その見事なロゼットから多肉植物界のバラと称されるほどです。とはいえ、バラのように気品がよく美しいというよりもふんわりとした可愛らしい雰囲気が魅力の植物です。

エケべリアの特徴の一つに品種の多さもあります。原種だけでなく交配種も合わせると把握できないほどの品種数になります。そのため、品種によって違った特徴があります。例えば、秋に紅葉する品種や雪のような白い粉を被った品種、寒さに強い品種など様々です。

ロゼットとは短い茎に葉が何枚も重なり合って円形になった形状を言います。ロゼットを形成する身近な植物にタンポポがあります。

環境

置き場所

エケべリアは日当りと風通しの良い場所を好みます。そのため最もよい置き場所は南向きのベランダや一日を通して陽が当たる場所です。ただし、真夏の直射日光は株を蒸らしてしまい枯れる原因になるので遮光シートなどをして適度な日差しで管理してあげましょう。

エケべリアは乾燥に強いと言うよりも乾燥した状態の方を好みます。そのため、風通しを良くして土が乾燥しやすい置き場所を心がけると株を蒸らして枯れさせることもなく健康的に育ちます。

温度

エケべリアは春秋型の多肉植物です。つまり、エケべリアにとって春と秋の気温がちょうどよいということです。

夏は温度については特に気にすることはありません。強すぎる直射日光と蒸れだけには注意しておきましょう。

冬は5℃を下回ると寒さに耐えきれなくなる品種が多いので5℃を目安に室内に取り込むなどをして寒さ対策をしましょう。また、室内であっても夜の窓際は気温が下がりやすいので気をつけましょう。
ただし、品種によっては耐寒性が強く0℃以下にならなければ大丈夫なものもあるので、育てる環境によって品種を選ぶのもよいでしょう。

用土

排水性と通気性を重視した用土を選びましょう。

エケべリアは排水性と通気性がある用土を好みます。また、適度な保水性も必要とします。
用土に拘りがない場合は、市販の多肉植物・サボテン用の土を使用すると便利です。

用土を自分で配合する方は、赤玉土小粒:4 鹿沼土小粒:3 腐葉土:2 くん炭:1 を基本用土に環境に合わせて配合を変えてあげましょう。腐葉土の配合割合を増やしたり川砂を配合に混ぜたりすることで保水性の良い配合になります。

鉢底に軽石を薄く敷くことで排水性と通気性をよくすることができます。

育て方

時期  1 月  2 月  3 月  4 月  5 月  6 月  7 月  8 月  9 月 10月 11月 12月
植え替え                                                                                                    
肥料                                               
剪定 なし
開花 不定期
休眠                                                                                                              

水やり

エケべリアの水やりは成長期である春・秋と休眠期である夏・冬で水やりの頻度やタイミングが変わります。

春・秋(3月~7月前半・9月後半から11月)
春と秋はエケべリアにとって成長期です。成長期にお水を適切にあげることでエケべリアの成長を促すことができます。
水をあげるタイミングとしては表土が乾いてから2,3日後の夕方か夜に鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。
ただし、春先や晩秋は気温が上がりきらず低いのでエケべリアの成長も鈍くなってくるため水やりの頻度は苗の様子を見ながら行いましょう。葉に皺が入ってきたら水を欲しがっているサインです。

水やりのタイミングが難しい場合は葉に皺が出てきたらあげるようにしましょう。気持ち的には乾かし気味が丁度良いかもしれません。
また、水やりを朝やお昼にすると日中に鉢の中の温度が上がり、根が蒸されてしまい根腐れが起きてしまう可能性があります。
そのため、水やりは夕方か夜にするのがベストになります。

夏・冬(7月後半~9月前半・12月~2月)
夏と冬はエケべリアにとって休眠期になります。根からの水の吸い上げをほとんどしなくなったり成長が止まったりします。そのため、ほとんど水を必要としません。そのため水やりの頻度は成長期の半分以下でも大丈夫です。
水やりの方法としてはたっぷりとあげるのではなく、根元に少しだけあげる程度にしておきましょう。真夏の水やりの場合は熱帯夜にならない夜をねらってあげるようにしましょう。
冬はほぼ断水状態で大丈夫です。

肥料

エケべリアは肥料を特に必要としません。とはいえ、適度に肥料を施すことで成長を助けることができるので植え付けや植え替え時に土に緩効性肥料を混ぜておくとよいでしょう。また、成長期に液体肥料を薄めて与えるとよいでしょう。

エケべリアは肥料を必要としないので与えすぎると枯れる要因になるので施肥を行う場合は少なめにして気をつけておきましょう。

病気

エケべリアがかかりやすい病気はカビが原因の黒斑病、さび病、うどんこ病と害虫による被害が原因の軟腐病、すす病があります。

黒斑病
黒斑病とは葉っぱや茎に黒い斑点ができる病気です。カビによる変色が原因で一度黒い斑点が出てしまった部分は元の色に戻ることはありません。カビが由来ということもあり、梅雨の時期に発生する傾向が高くなります。
対処方法としては黒くなってしまった葉っぱは見つけ次第取り除きましょう。放っておくと株内で症状が広がってしまうのでしっかりと対処しましょう。
予防策としては風当りと日当りが良い場所で育てることです。室内で育ている場合はサーキュレータなどを使用しましょう。

さび病
さび病とは葉っぱに黒色や茶色の錆びたようなシミができる病気です。
原因や対処法、予防策は黒斑病と同じです。
表面が産毛に覆われている種類や弱っている種類がかかりやすいです。

うどんこ病
うどんこ病とはうどんの粉のような白いカビが葉っぱに広がる病気です。糸状菌というカビが原因で発生します。うどんこ病が葉に広がると光合成が阻害され株が枯れてしまいます。
対処方法としては、初期症状の場合は表面を洗いよく乾燥させましょう。症状がひどい場合は感染個所を切除しましょう。一度発症した株の土は再利用することは避けましょう。

軟腐病
軟腐病とは株がぶにぶにのふにゃふにゃになってしまい、最悪の場合は溶けてしまう病気です。原因はカイガラムシといった植物の汁を吸う害虫により吸われて弱ってしまった部分にカビが繁殖してしまうことです。また、水分過多により弱ってしまった部分にカビが繁殖してしまうことも一因です。
対処方法としては症状が出てしまった部分を切除しましょう。害虫は見つけ次第駆除するようにしましょう。残念なことに株全体に広がってしまった場合は土ごと処分しましょう。
予防策としては害虫に対しては農薬を使うなどをして予防をし、水分過多の場合はサーキュレーターなどをしようして乾燥を促進させてあげましょう。

すす病
すす病は葉が煤を被ったように黒くなってしまう病気です。カビの繁殖が原因ですが、そもそもは害虫被害が由来の病気です。
すす病は梅雨の時期に害虫や害虫の排せつ物によりカビを繁殖させてしまうことなので害虫を見つけ次第駆除しましょう。
農薬等をうまく使用して対策しましょう。

害虫

エケべリアが被害にあいやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシ、ハダニがあげられます。害虫の被害は枯れやカビの原因にもなり、大切に育てた株があっという間に枯れてしまいます。そのため、日々観察をして害虫がついていないかを確認しましょう。

万が一、害虫がついているのが確認できた場合は数匹程度ならばピンセット等で取り除くとよいでしょう。
市販の農薬を使用して害虫の予防や駆除をするのもよいでしょう。

植え替え

エケべリアを植え替えるときに最も気をつけなければならないことは、根を傷めないようにすることです。そのため、根を傷めやすい梅雨や鉢の中が高温になりやすい夏はできる限り避けましょう。
植え替えは生育期に入る前の3月~4月が最適です。また、涼しくなった秋も植え替えに適しています。

植え替えの頻度は最低でも2年に一度はしてあげましょう。エケべリアは根を張るスピードが早いので根詰まりを起こしやすいので気をつけて観察してあげましょう。

植え替え時は下葉の枯れた部分や黒ずんだ部分は切り取り、一回り大きいサイズの鉢に植え替えてあげましょう。

増やし方

エケべリアの増やし方には大きく分けて3つの方法があります。

種まき
エケべリアは一般的な植物同様に花が咲き、そこから種が採取できます。その種を播くことによって増やすことができます。
エケべリアの種は非常に小さく、一度播くとどこにあるか分からなくなるほどです。
発芽には20~25℃の温度で日当りの良いところに置き、用土が乾燥しないように湿った状態を維持しておくと10日ほどで発芽してきます。

発芽直後のエケべリア

株分け
株分けとは親株にできた子株を切り取り一つの株として育てることで増やすことができます。

葉挿し
葉挿しはエケべリアを増やすのに最も一般的な方法です。エケべリアの葉を株から切り取り土の上に寝かせておくことでその葉から根が出て新しい株が出てきます。
葉挿しは成長期に行うことで成功率を高めることができます。

葉挿しのエケべリア

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